群馬県の赤城山の東南麓麓、標高600mの森の中で、
コーヒー豆を焙煎し、販売しています。
 
店主は、小学生時代からの珈琲中毒者です。
かつ、喫煙者です。コーヒーとタバコか、コーヒーと甘いお菓子が好きです。
自分でコーヒーの焙煎を仕事の一部にしてから27年ほどになりますが、
それ以来、毎日うちのコーヒーを飲んでいます。
若い頃は、街に出ると喫茶店が定番でしたが、
この20年以上は、
他のお店のコーヒーはあまり飲んだことがありません。

店主が好きなコーヒーは、当時も、今も、あまり主流ではないのだと思います。
kaffaを始めた頃には、スペルシャリティは視界になかったし、
浅煎り飲み比べみたいな世界も無かった。
みんな、適当に、手に入る豆を、慣例通りにミディアムに焼いて、その中でブレンドして
「美味しい」とされるコーヒーが提供されていた。
で、一部「炭火焙煎」などの深煎りもありましたが。
だいたい、焙煎業者の数が違う。

今なら選択肢がある。選べきれないくらいに。

僕には、忘れられない一杯が4杯ある。僕が好きなコーヒーの基準だ。
kaffaのコーヒーは、kaffaに縁のある4種類の豆で
その4杯の記憶が呼び覚ますコーヒー感を再現する試みなのかも知れません。

わずかに4種類の豆だけを、ずっと焼いてきました。
それぞれに深い縁があります。

エチオピア モカ ハラー
グアテマラ オーガニックの2種類は27年間
東ティモールは18年間
イエメンモカ サナニは2年間
のお付き合いです。

さっき気付いたのですが、こんなに長期間単一銘柄のコーヒーを焙煎し飲み続けた人間はとても少ないのではないか?
おお、これが年の功というやつだ。

kaffaのコーヒーに関しては、まあ詳しいとは思うけど、
本当に他のコーヒーを知らないので、自信があるか?と問われれば、自信などない!のだけれど
まあ、セブンカフェとかとは全然違うのは間違いない。
スタバでうまいと思ったことはない。
ドトールとタリーズで昔飲んでまあまあうまいと思ったこともある。
イベントで時々他のロースターのコーヒーも飲むけど、うまいとしか思わない。
まずかったことはない。
けど、毎日何杯も飲みながら、全く飽きず、飲む度に適度に変化し、
時々、最良の一杯がある。
kaffaのコーヒーは、店主にとっては、この上ないコーヒーです。

40年以上前の古い富士ローヤルの直火式焙煎機で焙煎するのは妻です。
20年前から妻が焙煎をしています。
焙煎機にドンキーと名付け飼い慣らしています。
店主が焙煎してる頃、kaffaのコーヒーは不味くて禿げるほどの悩みの種だったのですが
妻がやるようになって、中毒者たる店主は全く不満がありません。
特にここ数年の安定感はありがたいです。
ここにも年の功です。
だてに4種類の豆だけ焼き続けているわけではないのだ。

創業は、27年ほど前に、福島県葛尾村の山の中でした。
村の外れの山に向かう未舗装路のどんずまり。
小川がいく筋か流れ、岩魚も山椒魚も普通にいた。
本当に静かな平和な場所でした。

それから、結局、23年前に、ここ赤城山山中に住み始めました。
ここも関東にあるにしては、静かで平和な場所かもしれません。
コーヒーは、やはり、静かで平和の中で、が基本です。
しかし、世界には、戦時のコーヒーもあります。
イエメンも内戦中です。

新緑の赤城山中で、緑色の木漏れ日のシャワーを浴びながら、
タバコに火をつけ、淹れたてのイエメンモカサナニを飲む。
平和な至福とも言える日常だが。

MAKE COFFEE NOT WAR.
MAKE COFFEE NOT HATE.